JIBSN

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代表挨拶

 五島市は、九州の最西端に位置し、わが国の西の玄関口である長崎港から更に西へ約100km、五島列島の南西部に位置し、11の有人島と52の無人島から構成された、美しい景観が残る自然豊かな国境の島です。

 五島列島は、最果ての海、「五島灘」を隔て、中国大陸へつながる潮路の中に、西南から北東へおよそ80kmにわたって、斜走しており、中国に最も近い日本の島として、中国大陸との関係は非常に古く、奈良及び平安時代初期には遣唐使船の日本最後の風待ちの地として、遣唐使制度廃止後も中国商船の博多太宰府への中継地として国際的にも大変重要な島でありました。

 このように、古くから歴史上にその名を留めてまいりましたが、五島市の人口は、昭和30年の92,973人をピークに、平成27年には、37,327人に減少し、この60年間で約60%の人口が減少しています。

 こうした著しい人口減少の中、「人口減少に挑む」という市政運営のスローガンを掲げ、「再生可能エネルギーの島づくり」、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産の世界遺産への登録」、「クロマグロ養殖基地化」、「日本一の椿の島づくり」の4大プロジェクトを中心にした地域活性化に取り組んでいるところです。

 五島特有の地域の資源や特性を最大限に活かし、五島だからこそできることに力を注ぎ地域の活性化にまい進していますが、人口減少には、歯止めがかからない状況が続いています。

 こういう状況の中、平成29年4月から「有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域の係る地域社会の維持に関する特別措置法」が施行されます。

 この法律では、有人国境離島地域が有する我が国の領海、排他的経済水域等の保全等に関する活動の拠点としての機能を維持するため、有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別の措置を講じることとしており、国境離島にとりましては、画期的な法律となっています。

 このような制度をしっかりと活用することで雇用の創出や交流人口の拡大につなげ、総力を挙げて最重要課題である人口減少に挑み、五島の活性化を目指していきたいと考えています。

 さて、このたび、境界地域研究ネットワークJAPAN(JIBSN)の4代目の代表幹事を仰せつかりました。

 JIBSNは、国内外の境界地域に関する調査研究を行い、境界地域の抱えるさまざまな課題に適切に対処し、その発展に寄与することにより、学際的な領域にまたがる境界研究と地域に根付く実務を連携するという新たな社会的貢献を図ることを目的に設立されており、これまで3人の代表幹事の皆様の下、様々な活動が行われてきています。

 JIBSNも6年目に突入し、当初の境界地域の現状把握や課題抽出というところから、境界地域を活性化するアイデアやプランの実施に移ってきているものと思っています。

 五島市におきましても境界地域は最終地ではなく、ゲートウェイであるとの考えから、五島市にいちばん近い外国である済州島との交流ができないか、検討しているところであり、JIBSNにおいてもぜひ後押しをお願いしたいと思っているところです。

 今後、境界地域をどのように発展させていったらいいのか、どのような活動を展開していったらいいのか、全国の仲間の皆さんと一緒になって考えていきたいと思います。

 ご指導、ご協力をいただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。


境界地域研究ネットワークJAPAN
代表幹事 五島市長 野口 市太郎


第3代・代表挨拶(在任期間 2015年4月1日~2017年3月31日)

 戦前の根室市は、千島・北千島漁業、日ロ漁業の基地として発展を遂げていました。当時の北方四島には、17,000人を超える日本人が生活し「昆布採取業」や「タラ漁業」などの沿岸漁業や「サケ・マス漁」、「タラバガニ漁業」を中心に「26万トン」、さらに、北千島を含めると「40万トン」を超える膨大な漁獲量を誇る漁業、そして缶詰工場などを基幹産業としており、これらの水産物の受け入れや、日常生活物資などの多くを根室市に依存し、両地域は互いに支え合う緊密な経済結合を持った、いわば「親子の関係」にありました。

 昭和20年8月の終戦後、北方四島が旧ソ連邦に不法占拠されたことによって、根室市と北方四島とのつながりは強制的に断絶され、根室市は経済基盤を根底から失うこととなり、戦後70年を迎えようとしている現在もなお、私達の暮らす地域では、ロシアとの国境が確定していない状況が続いています。

 「北方領土は日本の領土」と叫び続けている現在においても、根室市と北方四島の間には、目には見えない巨大な壁が存在し、日本の領土である北方四島とは日ロ両国間で合意された「特別な枠組み」の中でしか往来することが許されず、根室地域の住民は、日常生活の中でも不自由さを強いられています。

 隣国とは海で隔てられている日本。日々の生活の中で、隣国との関係を意識している国民は多くはないと感じていますが、ロシアはもとより、中国、韓国等、日頃から隣国を意識して生活している地域があることも事実であり、これらの地域では、隣国との間で様々な制約や課題を抱えています。

 島国日本として「境界・国境問題」を真剣に考え、これらの地域を安定した地域として発展することが、ひいては日本の国益に資するものであると、日本島嶼学会、北海道大学の呼びかけの下、与那国、小笠原、対馬、そして根室が意見を交わした「国境フォーラム」が、現在では多くの地方公共団体、研究・教育機関、関係団体・組織等の賛同を得て、巨大なネットワーク「境界地域研究ネットワークJAPAN(JIBSN)」へと成長し、積極的な活動が展開されています。

 境界地域が隣国との関係をどのように発展させ、どのように生きていくのか。JIBSNというフィールドで、それぞれの地域住民と研究者等が様々な課題を共有し、アイデアを出し合い、境界地域としての活動を展開していく。微力ではありますが、JIBSNの目的を達成するため、関係者皆様のお力をお借りし、国としての境界のあり方について、全国の仲間と意見交換を進めるとともに、活発な交流を図ってまいりたいと考えておりますので、引き続きご指導、ご協力を賜りますよう、お願いいたします。


境界地域研究ネットワークJAPAN
代表幹事 根室市長 長谷川 俊輔


第2代・代表挨拶(在任期間 2013年4月1日~2015年3月31日)

 魏志倭人伝にもあるように「南北に市糴(してき)」する歴史をなぞり具現化することでしか自立自尊の生き方が見出せない辺要の島「対馬」。かたや、文化・民族等相違性の軋轢の最前線でその渦中に常に晒され続けてきた国境の島「対馬」。もっぱら、国家の形を担う為に外に向かって敢然と立ち続け、内側を振り返ると繁栄の波に乗り遅れている。

 このような事象数しれない国境に生きる国民がいる事を繁栄の中に漂泊する国民は教えられずにきました。最近は、これらの事をないがしろにしたまま「民主主義の身づくろいだけが論じられているのでは」と首を傾げる事象が報じられています。
 近頃、全国の裁判所で『一票の格差』を是正する為の判決が矢継ぎ早に出されています。これら現代の日本の風潮には、「政治が国のあり方や方向性を根本的にないがしろにしたまま、もしくは見誤ったまま現代まで歩んできた結果として、負の遺産の積み重ねには目を向けずまたメスを入れないまま、ただ単に表層的な偏った人口バランスをそのまま民主主義の教条的な方程式に当てはめようとする流れ」を感じずにはおれません。その前に、見誤ってきた日本全体の方向性を組み立て直し、日本のあるべき姿を明確にしておく必要があるのではないのでしょうか。
 あるべき姿の論点の中で、欠落しているのではと思われてならないのが導入部として必要不可欠な論点「国土政策」であります。国境に生きる民のDNAの中には、友好的に物事を進めるのは当然でありますが、「国土が接する隣国と友好関係を保ち続けるためにも国土は明確にすべきである」との強い思いが連綿と受け継がれています。思いだけで国土が形成されるはずもなく、まして理性的な外交で決着がつけられないのならば、「国土政策」という公共政策の視点で措置を講ずるべきです。そのような環境下におかれている日本であるにも関わらず、「教条的な民主主義に今このご時世に埋没して良いのだろうか」との疑念を抱き、「優先順位があって然るべきだ」と感じるのは私だけではないのではないでしょうか。

 ところで、国境の島「対馬」に大挙してお越しの隣国『韓国』の観光客数は、現在年間15万人。隣国の経済成長率の伸びと両国間の経済格差の圧縮に呼応して年々増加してきました。そのような中、最近では竹島などを巡る領土紛争を引き金に国家間の軋轢が表面化すると、国境問題に対馬が巻き込まれる事が恒常化しています。しかし、国境に接する自治体としては冷え込んだままの国家間の問題と静観し傍観しておく事もできません。なぜならば、直接的な当事者であるからです。「文化や精神の基層部分は同一であっても、ここ数百年の歩みの中で独自性を発揮している地域である」との認識もしています。
 更に、東アジアが近い将来、世界の中心となり牽引していかねばならない事も考慮すると、周辺地域の関係性が瓦解するような事がないような細心かつ大人の対応を常にしていかねばなりません。一朝一夕では解決しない領土問題という喉にひっかかったままの魚の骨を内視鏡を強引に挿し入れ、見つけ出し処置する事は困難を極める事が予想されます。このような問題には軽重に関わらず、古から国境線にある「対馬」が問題解決の役割を担ってきた事には相違ありません。「対馬」は様々な価値観に彩られ、衝突したりそっぽを向いたり、複雑に絡み合った歴史にある両民族の狭間で仲介人としての役回りを担わされてきました。

 この度、敬愛する沖縄県与那国町長外間守吉氏が務めてきた代表幹事の後任を担う事となりました。「自治体内部の在り方の変革が私の当面の仕事である」と認識していますので、外部の役は極力引き受けずにおりましたが、「国家の意識が希薄となり形骸化しつつある今はお引き受けざるを得ない」との結論に至った次第です。
 副代表幹事の北海道大学スラブ研究センター教授岩下明裕氏を始め、多くの境界域研究者のご協力をいただきながら一生懸命務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。


境界地域研究ネットワークJAPAN
代表幹事 対馬市長 財部 能成


【「魏志倭人伝」における「対馬」に関する記述】
 「居る所絶島、方四百余里ばかり、土地は山(けわ)しく、深林多く、道路は禽鹿(さんろく)(けい)の如し。千余戸有り、良田無く、海物を食して自活し、船に乗りて南北に市糴(商いをする)す・・・・」



「境界地域研究ネットワークJAPAN」立ち上げに寄せて(初代代表挨拶 在任期間 2011年11月27日[設立]~2013年3月31日)

 四方を海に囲まれた我が国日本では、普段、国境というものを意識することがなかなかない。明治維新後、怒濤の近代化の波を乗り越えてきた日本の中にあって領土を確定あるいは拡大する諸施策がダイナミックに展開されてきたが、太平洋戦争終戦後には連合国による統治のもと領土は一部分割、返還されるなど、日本の領土は絶えず拡大、縮小を繰り返してきた。だが、そこに国民の関心は薄く非日常的であり他人事であった。
 しかし、戦後から続く北方領土海域での日本側の漁船拿捕事件や近年では島根県による「竹島の日」制定に対する韓国側の対応、対馬での自衛隊基地近くの韓国資本による土地購入、最近では尖閣諸島沖での海上保安庁巡視船と中国漁船との衝突事件など、紛争的な事象に対してマスコミに取り上げられることが多くなり少しずつではあるが「国境」について関心がもたれるようになってきた。
 一方で、そこに生活し、そこに生きている人々にとって隣国との関係は否が応にでも避けては通れない。そこに突破口を見いだそうとする者、あるいは、苦々しいおもいをしている者さまざまであるが、それらが日常の出来事であり、境界地域で暮らすと言うことはそういうことだがここに中央との温度差を感じている。
 沖縄に「ニライカナイ」という言葉がある、海の彼方にある豊穣を約束された楽土ということであるが、与那国島では同じ意味の「ハイドゥナン」(南の与那国)があり、昔、それを目指して島を旅立った一家があるという伝説がある。一方で、与那国島が歴史上史実として名前が出てくるのが、15世紀の朝鮮実録史(成宗実録105巻)である。嵐に遭い遭難漂流した朝鮮の人達が与那国島へたどり着き、そこから各島々を経由して朝鮮本国まで帰還した史実のことである。先史時代以前からも交流があったものと推測され、外側の世界との接点は常に絶えない。
 外側の世界と記したがそれは人為的に引かれた国境線によるもので、そこに暮らす者にとって本来は“お隣”は“お隣”なのである。自由な往来ができなくなった現代、境界地域に暮らす者にとってある意味日本は鎖国状態である。

 さて、2007年の与那国島を皮切りに小笠原、根室、対馬と「国境フォーラム」を開催し、日本島嶼学会及び北海道大学、自治体等各関係機関による境界地域をめぐる実務者、研究者間の意見交換の場を構築してまいりました。そして、これらの成果をもとに境界地域研究にかかわるネットワークづくりに踏みだし、2011年11月北国の地北海道にて設立の運びとなりました。
 JIBSN規約の目的にもありますように、今後、当ネットワークにおいて実施される諸活動を通じて境界地域の抱えるさまざまな課題に適切に対処しその発展に寄与することにより、そこに生きる人々がより安心、安全そして幸せにくらせるよう願ってやみません。
 本団体に携わっている関係者の皆様、境界地域に関する研究に心を砕いている皆様、そして境界地域で奮闘している自治体の皆様のご指導ご協力を切にお願い申し上げます。


境界地域研究ネットワークJAPAN
代表幹事 与那国町長 外間 守吉


[事務局]060-0809 札幌市北区北9条西7丁目 北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター内 境界地域研究ネットワーク JAPAN事務局
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