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【募集中】与那国町嘱託専門員の募集<2017年4月20日まで>


境界地域研究ネットワークJAPAN(JIBSN)と与那国町は嘱託専門員を募集します。 6月1日からの勤務(予定)です。今回は修士課程修了の方も対象です。これまで 与那国でキャリアを積んだ若手研究者は各地で活躍されています。同町での暮ら しについて知りたい方は、初代嘱託、舛田佳弘さんの著作などをご参考ください。 皆さまの積極的な応募をお待ちしています。

■募集要項はこちら [CLICK]  

■舛田元嘱託専門員のレポートはこちら [CLICK

【関連イベント】2017年4月1日(土)に早稲田大学でワークショップ「北東アジアにおける労働力移動:海外派遣労働者の事例」が開催されます。

北朝鮮からロシア極東地域に「労務者」が派遣されてから70年以上経ちまし た。 ロシア、中国、モンゴル、東欧諸国、中東、アフリカまで世界各地に労働者が派 遣されてきたにもかかわらず、その実態については詳しい調査が行われていない 状況です。こうした状況を踏まえ、2014年からロシア沿海地方、サハリン州の現 地調査を通して得た結果を報告し、専門家の意見を聞くことを目的としたワーク ショップを開催します。  国連の北朝鮮制裁の一環として北朝鮮労働者を帰国させる動きもありますが、 建設労働者の80%以上が平壌出身であり、高学歴かつ身分もかなり高い人々が 派遣先で資本主義や北朝鮮の客観的な状況を見ています。 2030年になると海外派遣労働者の累積数は30万人に上るとの見方もあります。 今回のワークショップでは、2014年から2016年までの現地調査の結果に関する報告が行われます。

詳細はこちらをご覧ください。

【教育プログラム】「HOPS & SRC Border Studies Summer School in 2017」への応募が始まりました!(応募期間:2017年2月1日~2月28日17:00)

2017SummerSchool2017年7月12日から19日にかけて、「Hokkaido University Summer Institute 2017」の枠組みで、スラブ・ユーラシア研究センターと公共政策大学院(HOPS)が共同でボーダースタディーズをテーマとした講座「HOPS & SRC Border Studies Summer School in 2017」を開催します。講座全体は三部構成となっておりPart1は北米と東アジア地域に焦点を当てます(7月12日-14日)。Part2は、NIHU北東アジア地域研究事業北大スラ研拠点が共催する、スラブ・ユーラシア研究センターの夏期国際シンポジウムになります(7月13日-14日)。Part3では、北東アジアの国際関係とボーダーをテーマとした講義を実施します(7月18日-19日)。プログラムの詳細と、応募に関してはこちらをご覧ください。

【関連イベント】2017年3月24日に九州大学西新プラザで「対馬がむすぶ山口・プサン・博多:ボーダー研究と異文化共存の実践ワークショップ」が開催されます。

2017SummerSchool 国と国、地域と地域との間の「境」は、古代から現代までヒト・モノ・情報の行きかう接点 であり、新しい文化を生み出す接触点にも、対立・紛争を生み出す接触点にもなってきました。 境界線に係わる諸課題を読み解くボーダー研究や、国境を越えて/見据えて行う国境ツアーの 知見をもとに、今回、新たに行った山口発プサン・対馬・博多の国境モニターツアーから見え る世界についてCOCセミナーを開催します。

【主催イベント】2017年2月5日に九州大学西新プラザでセミナー「Debunking the myths of Northeast Asia's borders」が開催されます。

 >> 詳細はこちらをご覧ください。

【主催イベント】北大スラ研拠点国際シンポジウム "There Goes the Neighborhood: Increasing Tensions in Cooperative Northeast Asia "が北九州市小倉で開催されました。

 

 2016年12月17日(土)-18日(日)、北九州市国際会議場(北九州市小倉)で国際シンポジウム"There Goes the Neighborhood: Increasing Tensions in Cooperative Northeast Asia (流動する北東アジア~紛争か、協力か~)"が開催されました。本会議は、人間文化研究機構(NIHU)北東アジア地域研究事業・北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター拠点が主催する今年度二回目のシンポジウムになります。開会の挨拶は創立70周年を迎えた公益財団法人九州経済調査協会の高木直人理事長が行いました。続いて北東アジアのコミュニティ・ビルディングについて学術分野で多くの貢献をしてきたハ・ヨンチョル教授(ワシントン大学)が「東アジアにおける国際関係の理論構築」というテーマで基調講演を行いました。講演では、東アジア諸国は国際社会にどのような知的インフラを提供し得るのか、プラスの貢献ができるのかという問題提起がなされました。東アジア特有の国際関係を説明する理論を構築する上で、国家レベルでは近代化と経済発展がどのように進められてきたのかに注目し、そのなかで伝統がどのように形成され、各国の国際的視点が確立されたのかを検討しなければならないことなどが指摘されました。  

 初日は「アジアと九州の地政学を考える」、「北東・東南アジアの統合、人の流れ、ジェンダー」の2つのセッションが行われ、アメリカ、カナダ、韓国、ロシア、イギリス、日本などからの報告者・討論者が北東アジアの地政学的環境や社会的問題などについて多面的に議論しました。また、二日目は「中ロ関係のダイナミズム:便宜上の結婚か?新たな同盟か?」、「地域に向き合う中国とロシア:移民、経済、文化」、「北東アジア地域を理論で考える:権力、利益、イデオロギー」の三つのセッションが行われ、日本だけでなくポーランド、中国、アメリカ、ロシア、シンガポール、韓国の研究者が各々の観点から地域共同体形成の鍵となる中ロ二国間関係の実態と理論構築について意見を闘わせました。二日間の延べ参加者数は約130人に上り、大盛況となりました。

 本シンポジウムは、NIHU北東アジア地域研究事業の北大拠点と東北大拠点の連携に加え、九州大学アジア太平洋未来研究センター、北九州市立大学、九州経済調査協会、アジア成長研究所、境界地域研究ネットワークJAPANなどの学術機関・団体、そして北九州市と西日本産業貿易コンベンション協会の幅広い協力を得て実現したものです。

  

アジア政経学会パネル「北東アジアの海と島を考える:稚内・サハリン、対馬・韓国、与那国・台湾」開催

  2016/11/19 アジア政経学会パネル

2016年11月19日(土)、北九州市小倉の国際会議場でアジア政経学会秋季大会が開かれました。午後にはNIHU北東アジア地域研究推進事業・北大スラ研拠点が提案したパネル「北東アジアの海と島を考える」が設置され、北東アジアの国際関係の動向を、時代のセンサーとしてのボーダーランズから読み解こうという試みがなされました。NIHU北大拠点メンバーでもある天野尚樹(山形大)による「上陸地・中継地・発出地:北海道・サハリン関係のなかの稚内」、花松泰倫(九州大)による「対馬・釜山ボーダーツーリズムの展開と境域社会の変容」はそれぞれロシア、韓国と向き合うまちと社会の動きを浮き彫りにし、一見、政治的に固堅で国家間関係の変化が乏しくみえる北東アジアでも国境を越えて生じているダイナミズムについて問題提起を行いました。

2016/11/19 アジア政経学会パネル台湾と向き合う八重山・与那国島については、当初、島での勤務経験を持ち、台湾との交流事業を手掛けてきた、NIHU拠点メンバーの舛田佳弘が報告の予定でしたが、学内業務で都合がつかず、与那国町役場から小嶺長典課長にはるばるご参加いただきました。小嶺課長は実務者の立場から、「与那国島歴史文化交流資料館の開館とその役割:新たな台湾交流の構築に向けて」というタイトルで報告されました。これは記録や歴史と「親しい」権力的なまなざしを欠いてきた(つまり、常に弱者である時代が長かった)島であるがゆえに、記録の乏しい与那国のこれまでを、地域を主体として描きだそうという試みでもあり、知られざる北東アジアの「地域交流」の可能性を掘り起こすものとして高く評価を受けました。

なお、竹中千春前理事長のご厚意により、乾杯のご発声のおり、小嶺課長を懇親会の場で会員に紹介していただくなど、ささやかですが、学会に新しい風をもたらしたパネルであったとも言えるでしょう。

「域内連携体制の構築をめざす国際関係論」に関する国際セミナー報告者の公募

「北東アジア地域研究推進事業」の中心テーマは「北東アジアにおける地域構造の変容:越境から考察する共生への道」です。この研究枠組みの下、北大拠点は「域内連携体制の構築を目指す国際関係論」を研究テーマに掲げ、1980年代以降にこの地域で議論されてきた地域制度の構築の失敗要因と新たな可能性について国際関係論・国際関係史の観点から検討することを目指しています。事業全体、また拠点についての概要と研究教育活動については下記のホームページをご参考ください。http://src-hokudai-ac.jp/northeast/   この度、本拠点は当該研究テーマに関して、若手人材育成の観点から、九州大学アジア太平洋未来研究センターと共同で行う国際セミナーにて、報告を行う若手研究者を募集することになりました。北東アジアに関わる国際関係に関心をもつ若手研究者の応募を歓迎します。

詳細はこちら WEB / 募集要項 /  申請書(word形式)

オンライン・レポート「北東アジアの現在/Northeast Asia Today」 Vol. 2の刊行

 

北東アジアの現在/Northeast Asia TodayVol.2 北大スラ研拠点のオンライン・レポートVol.2がAchievementsに掲載されまし た。本号は、2016年5月28-29日に島根県立大学浜田キャンパスで開催された北大 スラ研拠点のスタートアップ学術会議『北東アジア地域研究の挑戦』第一日目( 28日)の記録です。

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  1. 北大スラ研拠点・スタートアップ会議が浜田(島根県立大学)で開催されました

    2016年5月28-29日 文責・加藤美保子

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    北大スラ研拠点・スタートアップ会議2016年5月28-29日、島根県立大学浜田キャンパスで人間文化研究機構「北東アジア地域研究推進事業」の北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター拠点のスタートアップ会議が開催されました。本会議は「北東アジア地域研究の挑戦」と題し、この地域特有の歴史、アイデンティティ、地域的課題と二国間・多国間の協力の可能性について議論することによって、「北東アジア」に注目する意義とその方法論について考察することを目的としていました。

     第一日目は、本田雄一島根県立大学学長と田畑伸一郎北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター長の講演で幕を開け、続く講演「北東アジア地域研究の挑戦と課題」では、和田春樹東京大学名誉教授によって問題提起がなされました。同講演では、1990年代から現在までの間に国家レベル・地域レベルで提起された地域枠組みや共同体の歴史を振り返り、「東アジア」と「北東アジア」の地域構成について述べられました。さらに、北東アジア地域の安全保障上の課題として、北朝鮮問題、中国の台頭と国家体制のあり方、伝統的二国間同盟網から新たな地域安保機構への移行などが挙げられました。また、歴史認識と過去の植民地支配や戦争中の犯罪行為に対する謝罪、保障、そして和解の模索という課題についても触れられました。同講演では他に、北方四島、竹島、尖閣という地域の領土問題の違いについて説明されたほか、新たな協力の可能性として、災害緊急援助問題、環境問題、海洋の利用、流民・難民のネットワークなどが取り上げられました。

    北大スラ研拠点・スタートアップ会議
    和田名誉教授による問題提起を受けて、井上厚史(島根県立大学北東アジア地域研究センター長)、岩下明裕(北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授)の両拠点リーダーによって研究報告が行われました。井上センター長からは、北東アジア地域において「近代化」がもたらした負の側面と正の側面について宇野重昭の思想を振り返りながら説明がなされました。岩下教授からは、国際関係論の観点に立ったこの地域の特徴として、①日米中ロの大国間関係で動いている、②四大国間のパワーバランスがサイクルを形成している、③反システム運動がないことによって、他地域と比較した時にPost-Cold War Peaceが成立しているように見える、というやや挑戦的な見方が提示されました。これら二つの報告は、各メンバーからのコメントや批判で締め括られました。

    北大スラ研拠点・スタートアップ会議 第二日目は、濱田武士北海学園大学教授による講演「北東アジアの海をめぐる国境漁業の現状」が行われました。濱田教授からは、国境エリアにおける日ロ(日ソ)、日韓、日中、日台間の漁業交渉の経緯の比較と、国連海洋法批准後の日本近海エリアにおける相互入漁の問題について概観する講演が行われました。これを受けて、続く座談会では、濱田、和田、岩下教授に加え、西野正人元日本海かにかご漁業協会会長理事、安達二朗浜田市水産業振興協会参与という現場を熟知する登壇者を迎え、「海」のなわばり争いを議論する際の罠、領土問題と漁業者の権利の問題の矛盾、日韓漁業交渉の内実など、島根・鳥取という地域から見た際の北東アジア地域の「対立」と「協力」について活発な議論が行われました。

    二日間の議論を通じて、国家の統制が比較的強い地域において表面化しない人と物の動きをいかに可視化・言語化するのか、あるいはすでに高度な経済関係が形成されている諸国で構成される地域に自由貿易協定や多国間枠組みを作る必要性があるのかどうかなど、今後北大拠点が取り上げるべき課題や方向性が明確になったと言えます。 今回の会議は北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター拠点のメンバーが企画し、同じく拠点の一つである島根県立大学北東アジア研究センターの強力なバックアップによって、地域的特色が反映されたプログラムとなりました。また、二つの拠点のコラボレーションに加えて、人間文化研究機構総合人間文化研究推進センターの小長谷有紀副センター長と国立民族学博物館の北東アジア地域研究事業中心拠点のメンバーの参加を得たことにより、ディシプリンを超えた「北東アジア地域研究」のテーマや課題について各メンバーが意識を巡らせる機会にもなりました。

  3. 島根県立大学北東アジア地域研究センター拠点スタートアップ会議開催

    2016年6月17-18日 文責・天野尚樹

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     本事業を構成する拠点のひとつである島根県立大学北東アジア地域研究センター(NEARセンター)主催のスタートアップ学術会議が2016年6月17~18日、島根県浜田市の同大学で開催された。拠点間の連携を重視する観点から、本スラ研拠点からも福原裕二(NEARセンター)、天野尚樹(山形大)が参加した。

     会議には、NEARセンター拠点代表の井上厚史(NEARセンター長)をはじめ、以下の拠点メンバーが参加した。井上治、李暁東、石田徹、前田しほ(以上、島根県立大)、岡洋樹(東北大)、波平恒男(琉球大)、エドワルド・バールイシェフ(筑波大)、王中忱(中国・清華大)、黄克武(台湾・中央研究院)、娜荷芽(中国・内モンゴル大)。また、同拠点と共同で事業を推進する国際日本文化研究センターから小園晃司が参加した。

    以上のメンバーをみてすぐわかるように、同拠点の特徴はメンバーの国際性豊かなことである。今回は出席しなかったが、ソウル大(韓国)や東北師範大(中国)からも研究者が加わっている。


     NEARセンター拠点の研究テーマは「近代的空間の形成とその影響」である。同センターが培ってきた研究実績や、研究者のネットワークを生かした問題設定がなされている。すなわち、国境や植民地で分断される近代以降とは異なって、北東アジアがある程度の一体性をもちえた前近代の歴史をまず研究の出発点とする。そして、その地域秩序に変容をもたらした西ヨーロッパ諸国や、ヨーロッパであると同時に域内アクターとしても進出するロシアからのインパクトを受け、北東アジアという空間にどのような「近代」がもたらされたのかが、事業の中心テーマとなる。
     
    今回のスタートアップ会議では、各メンバーの自己紹介の後、鍵概念となる「近代」とは何か、あるいは、「北東アジアの近代」とは何かについて、長時間の活発な議論がおこなわれた。地域秩序や国際関係の観点からみた場合、「近代」のモデルは「(西)ヨーロッパの近代」であり、具体的には「国際法に制御される主権国家間関係(ウエストファリア体制)」であることは容易に共通認識が得られた。では、「北東アジアの近代」として剔出される独自の要素は何か、となると答えを見出すのは困難である。いわゆるウエスタン・インパクトの影響を前提とするが、一方的な受容ではなく、アジアの側からの読み替えにより、モデルの変容が各国でみられたことは理解される。しかし、ではその具体的な形はとなると、今回の議論で共通認識を得ることはできなかった。

     いうまでもなく、「北東アジアの近代」を剔抉てっけつするのは困難で大きな課題である。NEAR拠点事業は、このテーマに答えを見出していくことを目標に進められていくことが今回の会議で確認された。

     統合よりも分断が強くみられる北東アジア地域の協力関係の可能性を模索する本拠点事業にとって、一定の共通性をもちえた歴史的経験を出発点とするNEAR拠点事業の研究テーマは重要なヒントを提示してくれるだろう。今後もさらなる連携を進めていきたい。

  5. 2016年度第1回・北東アジア地域研究推進会議 開催

    2016年6月20日 文責・加藤美保子

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     2016年6月20日に北東アジア地域研究事業の中心拠点である国立民族学博物館で第1回推進会議が開催されました。同会議で人間文化研究機構総合人間文化研究推進センターの小長谷有紀副センター長と、5つの拠点(民博、富山大、東北大、島根県立大、北大)の拠点代表および研究員が初めて一同に会しました。北大スラ研拠点からは、岩下明裕(拠点代表)と加藤美保子(センター研究員/特任助教)が参加しました。

     会議では最初に、各拠点代表から研究体制の説明と今年度の活動報告および来年度の活動予定についての報告がありました。その後、小長谷副センター長から本事業の方針および評価体制に関する説明が行われました。全体協議では各拠点から提起された事業運営に関する問題について話し合い、互いの情報を共有することができました。

    会議後は、6月16日にオープンした国立民族学博物館の新展示「中央・北アジア/アイヌの文化」を参加者全員で見学しました。1時間という短い時間でしたが、専門家の説明付きで各展示ブースを巡るという贅沢な体験をすることができました。「シベリア・極北」のブースでは、池谷和信民博拠点代表から、海の世界を含めて地域を見ることで、より豊かな北東アジア世界を提示することができるという示唆がありました。

  7. 【関連セミナー】UBRJ / NIHU セミナー「「中露国境地域の経済交流 実態をみる:国境の町・綏芬河のいま」開催

    2016年6月23日 文責・地田徹朗

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     2016年6月23日(木)、北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターにて、福島大学の朱永浩先生をお迎えし、「中露国境地域の経済交流実態をみる:国境の町・綏芬河のいま」と題するセミナーが開催されました。平日の16時半からという時間帯にもかかわらず、約30名という多数の来場者がありました。冒頭、中国黒龍江省の中ソ国境地域出身の朱先生より、ソ連時代に末期に国境で実際にバーター取引に駆り出されていたという幼少期の体験が現在のテーマでの研究に繋がっているとお話があり、その後、現在に至るまでの中露国境の街・綏芬河での経済交流と物流の実態の通時的変化について、多くの写真と共に解説をしていただきました。  

     綏芬河市を含む中国東北部の対外貿易額はロシアが半数以上を占め、特に、輸入額については木材や鉱物資源・肥料を中心に9割に届く勢いという説明がなされた後、現在の綏芬河市での国境物流の実態について説明がありました。かつては、中露国境を個人が跨いでモノのやり取りを行う、いわゆる「担ぎ屋」によるモノの流れが非常に盛んでしたが、ここ数年の間にその数が激減している。綏芬河市に中国大手ネットショッピング企業であるアリババ社のロシア向け発送商品の集積所が整備され、綏芬河からロシア領に商品を運び込んで、現地企業がロシア郵便と提携して発送を行っている。近年は、綏芬河に至る道路・鉄道などの物流インフラが徐々に近代化され、遠隔地からの鉄路や道路での物流が円滑化されるようになってきている(と同時に、まだ課題もある)。綏芬河を起点としてモノをウラジオストクまで運び、そこから航路で韓国や日本に輸送することが構想されており、釜山までの物流の実験も行われている。以上のようなことについて詳細なご説明いただきました。そして、日本企業もこの北東アジア国境地域での物流に参画する千載一遇のチャンスが目の前にあるにもかかわらず、マルチリンガルな現場で物流を動かせる人材が日本で育っていないため、参入障壁が現段階では非常に高く、日本が乗り遅れているという耳の痛い実情についても説明がありました。  

      本セミナーは、UBRJが仕掛け役となっている本年9月に実施予定の中ロ国境ツアーのプレ企画の意味合いもあり、ツアーに参加する方にとっては貴重な事前学習の機会となっただけでなく、ツアーに参加しない方々にとっても急速な変化・発展を遂げている北東アジアのゲートウェイたる綏芬河の実状を知るまたとない機会となりました。たいへん興味深いご報告をいただいた朱先生に感謝いたしますと共に、ご来場いただいた皆様に心より御礼申し上げます。

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  9. 北大総合博物館UBRJブースが7月26日にリニューアル・オープンします。

    2016年7月26日 文責・地田徹朗

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    musium_renewal_date.jpg北海道大学総合博物館は2015年4月より耐震工事実施により、一時閉館されていましたが、2016年7月26日(月)よりリニューアル・オープンいたします。閉館前、UBRJでは国境観光特設展示を行っておりましたが、リニューアル・オープン後もSRC・UBRJの常設展示ブースは継続することになり、さらにパワーアップさせた形でUBRJでの研究や社会連携事業の成果を展示の形で公開してゆきたいと考えております。今回のリニューアルにあたり、対馬・釜山および稚内・サハリンの国境観光についての展示をリニューアルいたしました。また、メイン・コンテンツとして稚内市在住の写真家、斉藤マサヨシの国境紀行写真展を実施いたします。

    北大スラ研拠点メンバーからは、井澗裕、天野尚樹の両名がサハリン・樺太コーナーの展示に貢献しております。皆さまのお越しをお待ち申し上げております!

  11. 「9月21日 UBRJ / NIHUセ ミナー「沖縄基地問題と憲法を北海道で考える」、9月22日 「沖縄基地問題と憲法を北海道で考える」速報

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    9月21日 UBRJ / NIHUセ ミナー「沖縄基地問題と憲法を北海道で考える」 詳細はこちら。

    9月22日 「沖縄基地問題と憲法を北海道で考える」 詳細はこちら。

  13. 「9月30 日UBRJ / NIHUセミナー「我らが独島・我らが竹島 日韓の領土問題認識を撃つ」 速報

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    詳細はこちらをご覧ください。

  15. 第14回APF日米中ロ4カ国フォーラムの開催

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    第14回APF日米中ロ4カ国フォーラム開会式2016年9月15日、KKRホテル札幌において一般社団法人アジア太平洋フォーラム(APF)の主催による「第14回APF日米中ロ4カ国フォーラム」が開催され、北大スラ研拠点からは加藤美保子が参加しました。フォーラムはテーマごとに①外交安保セッション、②政治経済セッション、③文化社会セッションの三つに分けられ、各セッションに日本、アメリカ、中国、ロシアの立場から4人の専門家が登壇し、率直な議論を闘わせました。

    第14回APF日米中ロ4カ国フォーラム 外交安保セッションフォーラムは今日これから国後・択捉に向かうという鈴木貴子衆議院議員の挨拶で幕を開けました。「外交安保セッション」では、ロバート・エルドリッヂ氏より、日米同盟の起源と近年もっとも大きな作戦の一つであった東日本大震災での在日米軍と陸上自衛隊の連携の経験から、日米間での相互運用体制が高まってきていることが指摘された。このことから、アメリカ大統領選で争点になっている日米同盟の見直しについて批判的な見解が示された。また、張玉萍・在札幌中国副総領事からは第13次5か年計画が始動する2016年の経済の特徴と、アジア太平洋地域への貢献について報告されました。アンドレイ・ファブリーチニコフ・在札幌ロシア総領事からは、北海道とロシア極東地域の地域間交流の現状と、ビザ制度・交通ルートにおける問題点について触れられた後、12月に予定されているプーチン大統領訪日と首脳会談においてウィン・ウィン関係が促進されることへの期待が示されました。最後に、飯島俊郎・外務省総合政策局参事官より、外交における人的要素の重要性と、交渉の中で優位に立つ要因として在任期間が長く問題や交渉の仕方についての知識が蓄積されていることが説明されました。この意味で、現在の安倍首相、岸田外相の日本外交の体制の安定性と戦略・実行力に期待する見方が示されました。

    第14回APF日米中ロ4カ国フォーラム 政治経済セッション「政治経済セッション」では宮家邦彦氏が、アメリカ大統領選でトランプ候補が熱狂的支持を獲得していることを例に、格差の拡大によって既存の政治勢力や権力、外国(人)に対する大きな反発、不信感、怒りが渦巻いている世界的な現象を「ダークサイドの覚醒」という言葉で説明しました。また、これからのリーダーに求められる資質は、このダークサイドをコントロールする力量であることも指摘されました。中国で弁護士として活躍するティボール・バランスキー氏からは、「中国ビジネスに横たわる法治と人治」というテーマで、司法の観点から中国でビジネスを行う際の問題的・日本との違いについての講演がありました。余建華・上海社会科学員研究員からは、習近平国家主席が提唱した「一帯一路」構想を実現する上で見込まれる安全保障面での挑戦についての見解が示されました。最後に、コンスタンチン・サルキソフ・山梨学院大学名誉教授からは、現在のアジア・太平洋情勢を概観したうえで、12月の日ロ首脳会談を見据えて北海道とロシア極東の越境(クロスボーダー)関係の可能性について講演がありました。

    第14回APF日米中ロ4カ国フォーラム 社会文化セッション「社会文化セッション」では、陳言・日本企業研究院執行院長より、「中国メディアの実力と課題」というテーマで、共産党系メディアとインターネットニュースやスマホニュース、ブログ、「微信」等の新しいメディアの違いについて説明され、中国におけるナショナリズムの高揚の背景としてメディアの問題(売れるにはナショナリズム)が指摘されました。アレクサンドル・クルマーゾフ・ロシア大使館一等書記官からは、ロシアで20年ほど前から高まり始めた日本文化・日本食に対する関心とその背景、ロシア人の魚や寿司の好みについて、国民文化の視点から語られました。武田泉・北海道教育大学准教授は、北海道の観光資源と交通の観点から、「最北端」ではなく「北の玄関口」としての道の可能性を指摘しました。とくに、北海道は北極経由の航路・航空路のアジア側の玄関口であり、地政学的に見て将来性のある地域だという見解が示されました。また、ロバート・エルドリッヂ氏から、アメリカ大統領選挙を事例として、アメリカ型民主主義、政治システムの問題点についての考察が提示されました。

    最後の総括では、各セッションの議長を務めた田中健二・APF理事長、兵頭慎治・防衛省防衛研究所地域研究部長、高田喜博・北海道国際交流・協力総合センター上席研究員によって、今回のフォーラムの組織の舞台裏や、12月の日ロ首脳会談、アメリカ大統領選の結果を受けて、各セッションの議論が今後どのように進展しうるかについて述べられました。今回のフォーラムでは全体として、アメリカ大統領選の動向が不透明な中で、当面動きそうな関係として、日ロ間の首脳会議、領土交渉への関心が高まっていることが窺えました。

  17. 10月6日UBRJ / NIHUセミナー「北方領土問題:日ロの認識と関係を問 い直す」速報

    2016年10月6日 文責・加藤美保子

  18.   10月6日UBRJ / NIHUセミナー「北方領土問題:日ロの認識と関係を問い直す」

    2016年10月6日、モスクワ国際関係大学からドミトリー・ストレリツォフ教授をお迎えして討論形式のセミナー「北方領土問題:日ロの関係と認識を問い直す」が開催されました。12月15日に山口県で予定されている安倍首相とプーチン大統領の会談を控えて、会場となったスラブ・ユーラシア研究センター大会議室は聴講者とマスコミ関係者で満席になりました。

    10月6日UBRJ / NIHUセミナー「北方領土問題:日ロの認識と関係を問い直す」セミナーでは最初にストレリツォフ教授から最近の日ロ関係における動きと、将来的に北方領土問題を解決するシナリオについてご講演いただきました。昨年末の段階では見られなかった2016年の新しい動きとして、ロシアのアジア政策において日本の地位が飛躍的に高まったことが指摘されました。この背景として、2014年から続く経済制裁の下、欧米諸国に代わる最優先のパートナーとして中国の優先順位が高まっていましたが、貿易や金融面で期待していた役割を果たさなかったこと、またガス価格交渉において中国が優位に立つことへの警戒感が深まったことが挙げられました。9月にウラジオストクで開催された東方経済フォーラムへの安倍首相、朴大統領の出席と両国との経済協議は、ロシアのアジア政策のなかで日本、韓国への傾斜が強まった象徴的な出来事として取り上げられました。

    また、注目が高まる北方領土交渉の行方について、ストレリツォフ教授は理論的に考えうるシナリオとして以下の三つを提示しました。第一のシナリオは、56年共同宣言に基づく二島返還での決着に、プラスαとして、主権とは関係ない形でロシアから日本へのいくつかの優遇措置が提案されるというものです。第二のシナリオは、継続交渉です。つまり、具体的に進展を示すのではなく、現状維持で首相会談を行ってその状態が2017年に持ち越されるというもので、より現実的な見通しです。第三に、妥協が特定のレベルを超えられず、相互に受け入れ可能な解決策が見いだされないケースが想定されます。この場合は、問題を凍結して棚上げにすることになりますが、互いの国家権威を傷つけない形での棚上げ交渉が必要となることが指摘されました。  これに対し、岩下明裕教授からは、対ロ外交における安倍政権の姿勢と特徴についてお話しがありました。日ロ交渉は首相自身がイニシアティヴをとっている数少ない案件の一つですが、読売新聞(9月23日)の報道にあったように二島返還を最低条件とするならば、その理由を明言すべきであることが指摘されました。また、日本が引き摺っている「戦後」の問題である北朝鮮とソ連との関係を解決しなければ、日本外交は変わらないだろうと述べられました。

    10月6日UBRJ / NIHUセミナー「北方領土問題:日ロの認識と関係を問い直す」モダレーターからは二人の議論に対して、①2016年になって日ロ関係が両国の優先課題に浮上したのは国際情勢の変動によるものであって一時的な現象ではないのか、②韓国へのTHAAD配備に対し中ロは反対を表明しているが、ロシアの日韓接近は経済と安保を切り離すということなのか、③日ロ両国の交渉体制の温度差について、コメントがありました。 会場からも鋭い質問が集まり、熱気に包まれたままセミナーは終了時間を迎えました。

    本セミナーの内容とは関係ありませんが、ラジオВЕСТИ FMでドミトリー・ストレリツォフ先生が日ロ関係について答えている番組をこちらから聴くことができます。(ロシア語)
    http://radiovesti.ru/episode/show/episode_id/41795

  19. 【公募:1/10締切】スラブ・ユーラシア研究センターでは現在、境界研究ユニッ ト担当の助教を公募しております。詳細は以下からご覧になれます。

  20.  

    詳細はこちら >> http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/center/bosyu_j11.html

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