近年、注目を集めている筋肉サプリ「HMB」。
日本でも、筋トレ愛好家を中心に人気が高まっていますが、飲んでも効果がなかったという意見も多く聞きます。
スポーツサプリを研究している専門家の中には、HMBは効果なし、お金の無駄とまで言明している人もいます。
そこで今回は、HMBには効果がない理由を、最新の研究結果を引用しながら客観的に説明していきます。
Contents
HMBは効果なしの研究
HMBの効果に関する検証は、現在までに国内外で数十回実施されています。
HMBは全く効果なし、という結論の検証は今のところないようですが、効果があまりなかったという結論の検証はいくつか存在します。
多くのサイトでは、HMBの効果についてポジティブな研究結果だけを掲載しています。
しかし、ここではあえて、HMBの効果なし寄りのネガティブな研究結果を紹介します。
シンガポールスポーツ協会の研究(2001年)
シンガポールスポーツ協会(Singapore Sports Council)が2011年に行った検証です。
この結果は「International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism」というスポーツ学術誌に掲載されています。
検証は、男性アスリートを2つのグループに分け、6週間に渡り行われました。
1.HMBを1日3g摂取グループ
2.プラセボを1日3g摂取グループ
検証方法は、各グループの除脂肪体重の変化を比較する方法が採用されています。
除脂肪体重とは、その名の通り脂肪を除いた体重のことです。
骨や内臓の重さは、短期間で急激に変化することはないため、除脂肪体重の変化は筋肉量の増減と考えてもいいでしょう。
結果をグラフ化すると次の通りです。
HMB摂取とプラセボ摂取、両グループとも除脂肪体重が増加していることがわかります。
比較すると、HMB摂取グループの方が増加量が多い印象です。
しかし、伸び幅が少ないことから、「効果はほとんどない」と結論付けられています。
参考
HMB supplementation does not affect changes in strength
イギリス医学研究評議会の研究(2013年)
イギリス医学研究評議会(MRC)が2013年に行った検証です。
この結果は「The Journal of Physiology」という生理学誌に掲載されています。
検証は、被験者をHMB摂取グループとロイシン摂取グループに分け、150分後の筋たんぱく質合成を比較する形で行われました。
結果をグラフ化すると次の通りです。
両グループとも、筋たんぱく質の合成が約2倍に増加しています。
しかし、HMBの増加量はロイシンよりも少し劣るという結果になりました。
参考
Effects of leucine and its metabolite HMB
ランダム化比較試験のメタ分析(2017年)
メタ分析は、複数の論文データを、統計的手法で結合させた総説論文のことです。
この検証はチリのカトリック大学主導のもと、2017年に行われました。
検証には「MEDLINE(メドライン)」 「EBSCO(エブスコ)」「Web of Science」のデータベースにおける、6つのHMB実験をまとめる形で実施されています。
すべての検証は、トレーニング経験者を被験者としています。
その結果、次のような結果になりました。
ベンチプレス重量 | ES = 0.00 |
---|---|
レッグプレス重量 | ES = 0.09 |
体重 | ES = −0.01 |
除脂肪体重 | ES = 0.16 |
脂肪重量 | ES = −0.20 |
いずれの結果も、HMBの摂取によるポジティブな効果を認めています。
しかし、その伸び幅が少ないことから、結論としては「効果はほとんどない」とされています。
参考
Effects of HMB supplementation on strength and body composition
HMBは効果なしの研究から分かること
筋肉の合成効果は少ない
筋肉量を増加させるためには、次の方程式を満たす必要があります。
筋肉の合成 - 筋肉の分解 > 0
トレーニングをしてタンパク質を摂取することで、筋肉の合成量は増えます。
しかし、身体のエネルギーが不足すると、アミノ酸を生成するため筋肉は分解されます。
この分解量が合成量を上回るとことをカタボリックといい、この状態ではいくらトレーニングしても筋肉は増えません。
先ほど紹介した二つ目の検証から分かる通り、HMBの摂取による筋肉の合成効果は、ロイシンと同程度です。
効果がないわけではありませんが、すでにロイシンやプロテインを摂取している人であれば、そこまで大きな効果は期待できないでしょう。
HMBのメインとなる効果は、筋肉の分解を抑制する方にあります。
そのため、HMBはプロテインなど筋肉の合成を促進するサプリとの併用が効果的です。
トレーニング上級者には効果が少ない
筋肉量は、筋肉の合成 - 筋肉の分解 > 0の時に増加しますが、筋肉の分解量は普段トレーニングをしているかどうかで変わります。
普段トレーニングをしていない人や、トレーニング期間にブランクがある人は、継続的にトレーニングを行っている人よりも筋肉が分解されやすいという特徴があります。
前述の通り、HMBのメインとなる効果は、筋肉の分解抑制です。
そのため、上記の検証のように、普段からトレーニングをしているアスリートは、HMBの効果が少ないといえるでしょう。
逆に言うと、トレーニングをしていない人であればHMBの効果を実感しやすいといえます。
HMBは筋トレ初心者向けの筋肉サプリということができるかもしれません。
HMBの効果がない人へのアドバイス
トレーニング前に摂取
スポーツメーカーをはじめ、多くの筋トレ系サイトでは、HMBの「筋肉の合成促進」効果を大きく謳っています。
そのため、HMBを摂取している人の中には、プロテインと同じように、筋トレ後のゴールデンタイムにHMBを飲んでいる人もいます。
しかし前述の通り、HMBの効果のポイントは、筋肉の分解抑制にあります。
この効果の恩恵を最大化するためには、トレーニング後ではなく、筋肉の分解が進みやすいトレーニング前に摂取する必要があります。
HMBは体内への吸収スピードは比較的早いため、筋トレ開始の10分~20分前に摂取するといいでしょう。
摂取量を減らしてみる
HMBの効果は、摂取量を増やしても上がらないことが分かっています。
むしろ、大量に摂取しすぎると、効果がなくなることもあるようです。
2010年にカンザス大学で行われた検証を見てみましょう。
この検証は、次の2つのグループに分けて行われました。
1.体重(kg)×38mgのHMB摂取グループ
2.体重(kg)×76mgのHMB摂取グループ
その結果、体重(kg)×76mgよりも、体重(kg)×38mgのHMBを摂取したグループの方が、除脂肪体重が増加した結果になりました。
体重(kg)×76mgの摂取量は、体重60kgで4,560mg、体重70kgで5,320mgに相当する量です。
もしも自分の摂取量がこれに近い場合は、摂取量を減らす必要があります。
HMBの効果に関する結論
効果はある
以上、HMBは効果なし、と考えられている理由を紹介しました。
結論から言うと、HMBにはきちんと効果があります。
「HMBは効果がない」ではなく、使用する人のトレーニング経験、飲むタイミング、摂取量など、「条件によってHMBは効果が出にくい」というのが正確な言い方です。
決して効果がないわけではありません。
HMBの効果は、厚生労働省や国際スポーツ栄養学会(ISSN)でも認められています。
日本ボディビル選手権8連覇の鈴木雅 選手をはじめ、トップボディビルダーも愛用しているサプリです。
HMBはお金の無駄、というのは明らかに極端な表現でしょう。
特に筋トレ初心者にとっては、非常に有益なサプリです。
これからトレーニングをはじめたい人は、ぜひプロテインと併せて摂取すべきでしょう。
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